2006-01-07から1日間の記事一覧

自由にとどまる

それにしても、こう見てみると、現代の作家たちは、なかなかに難しいところにおかれていることにあらためて気づかされる。正直、よくも、まあ、この厳しい戦いを継続しているよな、と心から驚かされる。でも、少しばかり心が暖められる。 グリーンバーグが述…

物語の終わる場所で

ここで、『野生の思考』にふたたび戻ってみることにしたい。 このなかで、レヴィ・ストロースは、先ほどのブリコラージュという方法と科学的な方法を区別して考えている。科学の方法においては、「構造を用いて出来事を作る(世界を変える)」のに対して、ブ…

モダニズムという体系

ここで、少しだけ過去を振りかえってみたい。今回の展覧会の作家たち、そして、僕たちが今おかれている状況を考えるのに有用だと思われるからだ。取り上げたいと思うのは、アメリカの美術批評家クレメント・グリーンバーグの評論「モダニズムの絵画」*1だ。 …