2005-09-05から1日間の記事一覧

郊外生活者のファンタスム

それにしても、この不可視の危険とそれに対する不安の意識、それから逃れるためのプロテクターという図式は、どこかで見たことがなかっただろうか。突飛な連想という人もいるかもしれないけれど、でも、僕たちは、ジョン・チーヴァーの短編小説「ランソン夫…

目に見えない危険とアトムスーツ

そもそも、ヤノベが恐れている「放射能」とは何であろうか?彼は何から身を守りたいと思っているのか。もちろん、文字通り、それは「放射能」であると考えもあるだろう。言うまでなく、それはひとつの解釈であり、正しいと思う(事実、ヤノベは、美浜原発事…

サヴァイヴァルという妄想

この本を概観するかぎりにおいて、ヤノベケンジの作品には、ふたつのテーマがあるように思う。 ひとつは、身体ないし自己の保護とでもいえばよいようなテーマだ。例えば、「タンキングマシーン」がある。これは、身体を包みこむような機能をもった彫刻とでも…