『美味しんぼ』最新刊

 『美味しんぼ』最新刊を購入したのは、もちろん、ポジティブな感じを演出しようとしたわけではなくて、ただの惰性です。
 なるべく褒め称えたいのですが、結局、全然駄目ですね。毎回、駄目だと分かっていて、買って、読んで、がっかりするのは何なんでしょうか。馬鹿なんでしょうか。恐らく、そうだと思うんだけれども、それと共に、ああいった円満な生活が好きというのもあると思います。
 こういった退屈な生活を送っているのもそれが円満であるからだけで、確かに、不穏な空気は流れているような気もするし、仕事から言えば、毎日トラブル続きで、というか、あえてトラブルを引き起こして、それで状況を変えるといった内容の仕事なので(非合法なものじゃありません)、トラブルを嫌っていたら、すぐに頭がおかしくなってしまうところもあります。
 でも、僕は円満で豊満で退屈な生活が大好きで、多少のトラブルはあるものの、総体としては、退屈っていうのがベストです。一度山に一ヶ月こもったことがあって、そのときは、本を読んで、ラジオを聴いて、それで飯を作って寝るという生活の繰り返しだったものですが、そういうのはすごく幸せでした。
 結局のところ、そういった退屈な、これと言って、なにもなかったね、という生活を求めていて、そういった生活は与えられているのでしょうが、それにも関わらず、この陰鬱な感じというのは何なんでしょうか。