地方自治体の首長の間接民主制

首長選出、「間接選挙」も併記=30日に要綱決定−自民小委

 自民党憲法起草委員会は29日午後、党本部で地方自治に関する小委員会(大島理森委員長)を開いた。4月に開かれる小委員長会議で報告する要綱には、現行では直接選挙制となっている自治体の首長の選出方法に関して、地方議会議員による「間接選挙制」も併記する方向となった。同小委は要綱を30日の会合で決定する。 

 最近、ほとんど趣味となっていますが(苦笑)、憲法改正自民党案について。

 これを追っていて面白いと思うのは、かなり出鱈目というか、何を考えているかよく分からない案がいろいろと出てくるところです。この前の「障害者」を14条後段の列挙事由に含めてしまうというのも、正直分からなかったけれども、この地方自治体の首長に対する「間接選挙」というのも、意図するところがよく分からない。まあ、分からないがゆえに、毎日気になって見ちゃうんですが。

 おおざっぱな基本事項の確認からすると、国政は間接民主制、地方自治体は直接民主制といった形で、現行の憲法では制度設計されています。
 国政が間接民主制を基調としているのは、国民が暴走して、ふたたびファシズムに陥らんことを抑えるといったような意味があります。まあ、ブレーキのようなものですね。
 これに対して、地方自治体については、条例が法律の枠内でしか定めることができず、また、法的な優劣関係から行っても、条例は政令よりも下にある、といった具合に、すでにブレーキがかかっているから、まあ、地域住民が暴走したとしても、そんなに危いことにはならないという見積もりがあって、そういったわけならば、そこに住む人たちの生活に密着したことなのだから、地域のことはできるだけ民意を反映させてやろう、といった意味合いで、直接民主制的な制度がとられているということになります。

 もちろん、直接民主制が間接民主制よりも優れているなんてことを言いたいのではなくて(というか、僕は石原の馬鹿を選んでしまうような、馬鹿な都民が多い状況を鑑みると、むしろ、間接民主制のほうがよいと考えていますが)、言いたいのは、国は間接民主制で地方は直接民主政といった制度設計が取られていることを踏まえたうえで、現行の憲法の何処に問題があるのか、ちょっと分からないという、そういったことです。

 むろん、260頁ほどの自民党案には、それなりのことが書かれているとは思うし、まあ、面白そうなので、手に入るようならば、読んでみようとも思いますが、しかし、この地方自治体についての「間接選挙」というのはどういった趣旨から出ているものなのか、非常に興味があります。報道をみる限りでは、まったく謎です。

 なかなか突飛なことが書かれていそうで、非常に楽しみではあります。