利子→元本

 あまり詳しくいえないのですが、仕事上、消費者金融だとか闇金から借りている人と会うことが多くて、その中のいくらかは60歳だとかを超えた老年期の人たちで、その人たちが二百万円から五百万円くらいの借金を背負って、ほとんど年金も全部取られるといったような生活をしているというのを目の当たりにして、非常に腹立たしく思うのですが、それと同時に、不思議に思うのは、そんな人たちに貸して採算が取れるのかということで、話をよくよく聞いてみると、結局、借金をした人たちはすでに元本に相当する額については払っていて、それでも、利子の返済に追われてしまい、結局、元本が全然減っていないという状況が見受けられます。だから、結局、貸し手のほうにしてみれば、老人の返済はボーナスみたいなもので、老人が返済するもの全てが儲けのようなものといえます。
 それで、思うのは、元本から返済しないで利子から返済するという仕組みは、何とかならんのかということです。特に、年間二十パーセントを超えるような利子がある借金(利息制限法ではなくて、出資法に該当するような借金)については、例えば、民法の規定、つまり、「返済の順序=①費用(例えば、振込手数料とか)、②利子、③元本」というのを止めて、特別法で「返済の順序=①費用、②元本、③利子」っていう強行規定することはできんのかということです。
 これは、別に「老人を助けろ」的な考え方からくるものではなくて、社会全体の利益を考えてのことです。つまり、むちゃくちゃな利子の返済に追われている人たちは、結局、生活が成り立たなくなって、破産する、または、民事再生の申立てをする、みたいなことになるわけですが、その後、ある程度の余力がある場合は良いのですが、余力がない場合は生活保護を受けるといった流れになる可能性が高いし、そうでなければ、何らかの公的な扶助を受けることになります。
 そうなってしまったら、それはそれで仕方がないのですが、ただ、思うのは、本当は自分の力で生活することを可能にしたはずの資産がまるごと消費者金融なり闇金に流れている構図っていうのはまずいんじゃないか、ということです。そうなるのであれば、消費者金融なり闇金をがちがちに縛ったほうが良いと思うのです(特に、破産した人の住民票を取っていた武富士とか)。
 まあ、とにかく、ああいったところで、借金をしないのが一番なんですが。ちなみに、この前初めて「トイチ」から借りているという人に会いました。「本当にあるんだ・・・」って、ちょっとびびりました。