よく聞く、または特別な思い入れのある5曲

The Beatles 「Rocky Raccoon

 高校生の一時期、毎日『ホワイトアルバム』を聴いていたことがあって、その中でも、一番好きな曲でした。なんか、これを聴いていると、死にたくなっちゃうというか、そういうところもありました。たぶん、高校生なので、ひそかに死にたかったのだと思います。
 高校の頃から妻を寝取られたいというひそかな願望があったとすれば、それはそれで問題なのですが、そういうことではありません。ごく単純に、この馬鹿馬鹿しい歌詞と痛切な悲哀を内に含んでいるメロディーにやられたのです。

Miles Davis 『Four and more』

 曲じゃないけれども、このアルバムということでお許しください。大学院にいた時に、論文が書けず、お金もなく、「将来どうしよう」と考え込みながら、冬の夜、多摩川べりを歩いていた時に、この曲を聴いて、励まされたという体験によります。
 今もよく聞きますが、やはり、何というか、試せることは何でも試してみよう、といったような彼らの心意気を感じて、その部分で、これを聴くと、元気がでるのです。

Dinosaur Jr. 「The Wagon」

 ふたたび高校時代のこと。
 僕は高校に行くのが非常に嫌だったので、高校二年生の後半になると、遅刻をすることが多くなりました(休むのもあったけど)。その当時、今はなき目蒲線などに乗りながら、ウォークマンで、ダイナソーのこのアルバムをエンドレスで聴いているうちに、学校に行くのが嫌になってしまい、そのまま帰宅したという思い出があり、個人的な印象に残っています。
 しかし、今聴いてみても、こんなの聴いていたら、高校とか行く気なくなっちゃうよね、それ、分かる!というところもあり、だから、その部分で、高校の時の僕の行為は正しかったのだろうと考えます。
 アルバム全体としてみると、「The Wagon」が一番インパクトあるかな、という感じで、この曲。当時、「殺伐系」とか「ふにゃふにゃ」とか、いろんなことを言われていましたが、今、歌詞を読んでみると、けっこう、まともなラブソングだったので、驚きました。

④The La's 「There she goes」

 たぶん、挙げている人が沢山いると思いますが、高校では、みんなに黙殺されていたし、僕が「ラーズ、いいよ」とか言っても、あんま相手にされなかったし、雑誌とかでも、このグループというか、あの頭のおかしくなった彼というか、は、不幸な扱いをされていたことを思い出します。そういった不幸さと、自分の不遇な高校時代を重ね合わせると、やはり、この曲っていうことになります。
 そんなラーズですが、サマーソニックにやってくるということで、まあ、それはそれで衝撃的で、しかも、新しいアルバムが出るっていう噂も耳にして、これまた驚いています。さらに言えば、その扱いの大きさも、びびります。当時は、かなり黙殺されていたんだけどなあ。ちなみに、この前、職場のカラオケで唄ったら、「知らねえよお」と言われました。

Nirvana 「Rape me」

 このアルバムが出た時に、友達に借りて、よく聴いていました。
 友人も僕も、大学に入って恋に身をやつしていた頃なので、この曲の「I'm not the only one.」の歌詞には、心を打たれるところがあり、また、その後に「Hate me.」とくるものだから、それはそれで、かなり痛いけれども気持ちがよいという、微妙な感じがあったのだろうと推測されます。
 しかし、今、このアルバムを聴いてみると、実は、カート君はコトニーちゃんを大好きだったんだっていうのが、びしびしと伝わってくるところもあり、その意味で、この最後のアルバムっていうのは、ものすごく濃い愛のアルバムだったんだなあっていう気もします。
 当時は気づかなかったけれども、僕たちは、無意識のうちに、カート君の愛に自分たちの報われない恋を重ね合わせていたのかもしれません。

 といったわけで、5曲。

 番外編とか言っていると、きりがないので、ここで終わりにしておきます。ちなみに、takabeさんが持っていないという、ストーンローゼスの「Elephant stone」の7インチバージョンですが、僕は持っています。解散何周年かの企画版シングルコレクションに入っておりました。うらやましいでしょ。